日本タングステン・基山工場を訪ねて
基山工場で製造される電気・電子部品には、配電盤のブレーカーに使用される電気接点や、自動車のスターター用電気接点があります。今回はそれらの製造工程と品質管理体制をご紹介します。
タングステンなどの混合粉末をプレスし、焼結、溶浸を経て完成に至る工程は、前回ご紹介した抵抗溶接電極などと同様ですが、ブレーカーやスターター用の電気接点は、製品ごとに規格・仕様・納期が異なっているため、専用ラインで製造されている点に特徴があります。
また、これらの製品は配電盤や自動車に組み込まれるため、小さな形状で、得意先ごとに形や材質が違い、月間の生産量も様々です。そのため、お客様のニーズにきめ細かく対応し、なおかつ納期と品質の管理に日々気を配っております。
完全自動化で量産体制を実現する
はじめに、タングステンカーバイトと銀、タングステンと銅の混合粉末を小型の粉末成型プレス機に投入し、製品ごとの専用金型で押し固めていきます。前回ご紹介した抵抗溶接電極の製造ラインでは、スタッフが大型のプレス機を操作し、高圧をかけてプレス成型をしますが、こちらは製造工程が全て自動化されていることもあり、1個あたりの成型・プレスに数秒とかからない量産体制を実現しています。
発注量に応じて24時間稼働で対応
「スタッフはブレーカー用電気接点担当とスターター用電気接点担当に分かれており、発注量に応じて24時間稼働の態勢をとることもできます。製品の歩留まりは、高いレベルを維持しています。」と岡本哲也リーダー。
製造品種は定格電流50アンペアから1600アンペアまでのブレーカー用電気接点やスターター用電気接点を製造しています。
品質を確認する
成型されたプレス体は、電気炉に運ばれ、焼結、さらに溶浸を経て、完成品となります。その後、検査工程に移されます。
寸法、外観検査は、全数をチェックします。
また、密度・硬さ・導電率・成分等をチェックし、品質を確認しています。さらに、接点の開閉試験機を保有しており、電気的特性も評価しています。
このような徹底した品質管理体制の下、高品質な製品作りで、お客様の信頼にお応えしております。