技術情報

第37号 JIMTOF2006 特集号セラミック精密治具

はじめに

 弊社では長年にわたり、ニューセラミックスの優れた機械的性質や耐摩耗性を生かすことを目的に、切削工具や機械部品に応用し、幅広い応用用途を広げてきました。ジルコニアセラミックスは脆いといわれるセラミックスの中では最も強度や靭性が高い特性を有しており、金属材料に代わる用途で使われてきました。しかしながら、機械部品や装置部品には装置の動きや機械の機能を実現するための細穴やスリットなどの微細で高精度な形状が必要となります。このたび、長年のセラミックス製造の技術とノウハウを活かしてこれまでセラミックスでは製作が難しいとされてきた精密な複雑形状を可能にしたジルコニアセラミックス製品をご紹介いたします。
 弊社では汎用の絶縁性ジルコニア「NPZ-10」、この材料をHIP焼結(熱間静水圧加圧焼結)して理論密度近くまで緻密化し、機械的性質を向上した「NPZ-1」があります。
 近年、装置部品や機械部品には静電気対策や通電できることが要求される用途もあり、弊社では導電性を有するジルコニアセラミックスとして「NPZ-28」を用意しております。本材料はすでに銅系被加工材のプレス打抜き加工向け金型パーツ材料として市場で定評を得ている製品でありますが、金型に使える機械的性質や電気的特性をそのままに、さまざまな用途で使用できるように精密に加工してご提供できることを目標に開発致しました。

機械的性質

 弊社ジルコニア材料の機械的性質、電気的性質を表1に示しま。

(1)NPZ-1、NPZ-10
 本製品はジルコニア単体の製品でありますが、弊社が厳選した原材料を独自の製造方法によって優れた特性を引き出したセラミックスになっております。その特徴は以下のとおりであります。
1.セラミックスの中で強度、靭性が高く、金属部品の代わりとして応用しやすい。
2.加工時のチッピングが少なく、エッジ部などの精密な加工ができる。
3.絶縁性が高く、耐摩耗性を保持しながら割れにくい用途で優れた性能を示す。

(2)NPZ-28
 本来ZrO2は熱膨張係数が大きく、ヤング率が低いため、高速で駆動する金型には向かないが、熱膨張係数が小さく、ヤング率が高い遷移金属系の炭・窒化物などとの複合強化により、強靭性のみならず硬さやヤング率も向上する。曲げ強度は超硬系には及びませんが、複合化することにより2000MPaまで向上しております。一方、硬さの向上しており、アルミナセラミックスと同等な硬さを示します。
 また、導電性成分が30体積%以上になるとネットワーク構造を形成して導電性が発現し、金属・超硬材料並みに電気的加工が可能になります。このセラミックスの結晶の透過型電子顕微鏡像(TEM)を写真1に示します。結晶粒子径は1ミクロン以下の微細で均一な組織となっており、ナノオーダーサイズの微細な導電性粒子がZrO2相内に分散していることが認められます。

1.弊社セラミックスの中で最高の強度を持っている。
2.ジルコニアセラミックスの中で最高の硬さを有している。
3.導電性を有しており、電気的加工や通電が要求される用途に使用できる。
 
 このように、これまでのジルコニア系セラミックスにはなかった導電性まで備えた材料とすることで、さまざまな用途に応用できることになりました。

精密で複雑なジルコニアセラミックス製品

 セラミックスは新素材として注目され、いろいろなアプリケーションが思考されてきましたが、金属材料やプラスチックなどに比較して焼結体の加工性が著しく劣るため、材料もさることながら、加工に高いコストをさけざるを得なかった材料であり、高価で納期のかかる材料と評されてきました。
 弊社ではプレスから焼結、加工までのあらうる工程を見直して、これまで難しいといわれてきたセラミックスの精密形状を可能にすることが出来ました。写真2、3、4にその一例を示します。
 これまでセラミックスでは難しいとされてきた微細穴加工や複合穴などの精密形状を必要とする製品に応用できます。従来は金属やプラスチックで製造されてきた精密形状をセラミックスで実現することにより、飛躍的な耐摩耗特性や寿命の向上が可能となります。
 弊社ではお客様のご要望に応じて、個別に製作内容を検討し、ご満足いただけるように対応を進めております。

ニッタン技報 

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