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第28号セラミック実装用ツール

1.概要

 
今回は、高品位な諸特性を利用し、微細で精密な加工ができるセラミック実装用圧着ツールについてご紹介いたします。圧着ツールとは、半導体とプリント基板やフィルム等を接合する治具の事です。

2.セラミック材料について

セラミック材料にはいろいろな種類があり、それぞれに機械的性質、熱的性質、電気的性質に違いがあります。それぞれの特性に合わせた圧着ツール材料を用意しておりますので、材質についてご紹介します。

(1)緻密で均一な当社セラミック材料は、基
本的にHIP処理を行っております。HIP処理とは、Hot-Isostatic-Pressing(熱間静水圧加圧)の頭文字を意味しており、
一度焼結したセラミック素材を1000℃以上、
1000気圧以上のガス圧でさらに焼き固め
ることであります。この処理によってほぼ理
論密度近くまで緻密化し、ポアなどの欠陥が
極めて少ない均一で高品位な材料が出来上
がります。
(2)高硬度、高強度、高靭性な材料加熱圧着
ツールは基本的に耐摩耗部材であり、また、
構造用部材であります。それゆえ、高硬度、高
強度、高靭性といった機械的性質が必要とな
りますが、上記、HIP処理を施した当社セラ
ミック材料は、卓越した機械的性質を有して
おります。よって、このような用途には適し
た材料であります。
 以下に各材質について、ご説明いたします。

3.各種材質について

(1)AlN(窒化アルミニウム)“NPL−2”
セラミックスの中で最も熱伝導性の高い
材料である窒化アルミニウムには、硬さ、強度、
靭性が低いという欠点がありました。しかし
ながら、当社の“NPL−2”は優れた熱伝導率
を維持しながら、独自の組成と製造方法によ
って結晶を微細化しております。さらに、
HIP処理することによってほぼ理論密度に
達する緻密な焼結体となり、靭性や強度が大
幅に向上します。
機械的性質はもとより、ポアがきわめて少
ない結晶組織となっておりますので、優れた
鏡面ラップ面が得られる面精度が高い材料
となっております。
 写真1に“NPL−2”の走査型電子顕微鏡に
よる結晶組織を示します。また次のページの
表1に、諸特性の比較を示します。結晶が微
細となり、ポアが少なくなることによって、
機械的性質で硬さ、強度、靭性が向上してい
ることがわかります。
(2)Si3N(4 窒化珪素)“NPN−3”
 “NPN−3”は汎用Si3N4材料とは異なり、
鋳鉄部品などを切削加工する工具に使用さ
れる緻密で強靭な材料であります。“NPL−
2”同様に独自組成の焼結体をさらにHIP処
理してほぼ理論密度まで緻密化した高品位
なセラミック材料であります。汎用のSi3N4
材料に比較して、1.5倍以上の強度、ワンラ
ンク上の靭性を有しておりますので破損に
対して高い信頼性を示すとともに、ポアが極
めて少ない緻密な材料ですので、優れた面粗
度や鏡面精度を示します。
 表1に“NPN−3”の諸特性の比較、写真2に
走査型電子顕微鏡による結晶組織を示します。
“NPL−2”同様に、結晶が微細となり、ポアが
少なくなることによって、機械的性質で硬さ、
強度、靭性が向上していることがわかります。

4.熱的特性について

高温に加熱して使用するツールの場合には、
熱伝導性に優れることが求められますが、同
時に熱を遮断し、効率的に使用することも求
められています。弊社では、求められる熱容
量や熱的特性に対応した材質を使い分け、目
的と仕様に応じて対応しております。
(1)高熱伝導セラミックス
 高熱伝導を要求される用途、例えば、パル
ス型ヒーター用には200W/mKレベルの
“NPL−2”を推奨しております。前述の通り、
高い熱伝導率とAIN材料としてはトップレ
ベルの強度や靭性を有しております。
(2)低熱伝導セラミックス
 断熱を目的とした用途には、金属の100分
の1以下である数W/mKレベルの熱伝導率
を示すZrO2セラミックス“NPZ−10”もし
くは、“NPN−3”を推奨しております。とも
に高強度、高靭性な材料でありますので、
ツールと金属シャンクに挟み込む中間層の
ような用途にも最適であります。
(3)その他
両社の中間的な熱伝導率を求められる用
途には70W/mKレベルSiCセラミック
“NPS−1”を推奨しております。

6.まとめ

当社のセラミック製品製造のノウハウを活かした材料設計を付加し、個別のお客様向けにツールをご要望に応じた形状で製作いたします。ご一報頂ければ、幸いに存じます。

ニッタン技報 

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