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第28号日タンの抵抗溶接用電極〜電極寿命を延ばしショットサイクルをあげる〜

1.はじめに

抵抗溶接とは、被溶接物を電極で加圧通電し、接触抵抗と金属内部抵抗でジュール熱を発生させ、圧着する接合方法です。その種類は図1に分類されます。

2.抵抗溶接用電極に求められる性質

1)高温、高圧力で変形しにくいこと 高周波抵抗溶接
2)熱伝導と電気伝導が良いこと
3)被溶接材及びメッキ材と合金化しにくい
こと
4)大気中で酸化しにくいこと
5)安価であること

 一般的に用いられているのが「クロム銅」「クロムジルコ銅」「ベリリウム銅」などの析出硬化型合金です。CuにCrやZr、Beなどを溶解し熱処理によってCuマトリクス中に添加物粒子を析出させ、硬さと電気伝導率(IACS%)を向上させています。しかし、抵抗溶接では繰り返される加熱によって、Cuマトリクス中に析出物が再び拡散し、電極性能の劣化が起こって寿命に至ります。熱処理による固溶析出ではなく、Cu中に硬質粒子を分散させ、硬さとIACS%の特性を引き出しているものに「アルミナ分散強化銅」があります。これは0.5%前後のアルミナ(Al203)をCuマトリクスに分散させたもので、分散強化型合金と呼ばれています。析出硬化型とは違って、繰り返される加熱による性能低下はありませんので、クロム銅より電極寿命を延ばしたい場合に多用されています。
しかし、これら析出硬化型合金やアルミナ分散強化銅では、電極寿命が短くなってしまう溶接条件があります。
・溶接物やそのめっきによりCuと合金化してしまう場合・熱伝導がよい銅線の溶接
・厚板ものや熱かしめなど、大電流、長時間の溶接条件
・溶接ショットサイクルが早い電機電子機器、電池部品の溶接ラインなど
 このような溶接機には高温強度に優れ、繰り返される発熱・加圧で変形・摩耗が少ない
タングステン(W)やモリブデン(Mo)、そしてこれらの合金電極材料が効果を上げています。

図1 抵抗溶接の分類

3.NDB接合製品

抵抗溶接電極にW、Moおよびこれらの合金を用いる場合、電極先端にはこれら材質を適用し、ホルダーや冷却穴部分であるシャンクには銅、およびクロム銅などが用いられています。電極材とシャンクの接合には、一般的には「銀ろう付」もしくは「圧入」が多用されていますが、接合品質がばらつきやすく、電極材の脱落、熱伝導の低下、接合部分での発熱などにより、溶接品質がばらついたり、電極寿命低下を起こしています。
当社では、これら従来の接合方法を改良したNDB法で、お客様に供給しています。NDB法は銅タングステン合金(Cu-W)、ならびにタングステン(W)やモリブデン(Mo)に、銅を直接接合する方法として、独自に開発したもので、Non Defective Bonding(無欠陥接合)の略称です。表1にろう付品とNDB品の接合部品質比較を、写真1にろう付品の接合部断面を、写真2にNDB品接合部断面を示します。

NDB品はシャンクへの熱伝導がよいため、通電休止時の電極冷却が早いのが特徴です。
電極の消耗を押さえるばかりでなく、ショットサイクルを上げ、生産性の向上へ寄与できます。ろう付や圧入では不可能な領域の溶接サイクルを実現できます。
表1 ろう付品とNDB品の接合部品質比較(測定条件 技報No.19による)
 接合面積接合強度熱伝導率 J/cm・sec・℃電気抵抗 μΩ
ろう付品60〜80%98MPa以上1.749.3
NDB品ほぼ100%127MPa以上2.131.8

4.お試しセットの販売

5.まとめ

溶接条件は、溶接物や溶接機の条件により多種多様です。
タングステン/モリブデンおよびこれら合金は、クロム銅やアルミナ分散銅に比べ高温強度に優れる反面、IACS%と熱伝導が低いという面があります。クロム銅などと同じ溶接条件では溶接点の温度は高くなり、溶接物との溶着などの不具合が発生することがあります。電極の形状や溶接条件も見直し、電極と被溶接物とのヒートバランスをとる必要があります。
 図2は当社の電極材料を横軸に硬さ(HV)、縦軸に電気伝導度IACS%)をマッピングしたものです。比較としてクロム銅、アルミナ分散銅、タフピッチ銅(C1100)を載せています。硬さが増す材料を選定すれば(横軸の右方向にいけば)、IACS%は下がり電極の発熱が多くなることを示します。
以上のデータと表2に示します溶接分野とタングステン(W)/モリブデン(Mo)系電極の推奨材質を基に適切な電極を選定下さい。
電極性能にお困りであれば何なりとご相談下さい。      (電材部品部 上野)

ニッタン技報 

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