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超硬合金超硬合金とは

超硬合金とは
超硬合金とは、周期律表Wa、Xa、Ya族金属の炭化物を Fe、Co、Niなどの鉄系金属で焼結した複合材料を超硬合金(Hartmetalle, hard metals、Cemented Carbide)と称しています。機械的特性が最も優れるものはWC-Co系合金であり、この合金を一般には超硬合金と呼んでいます。いずれの合金も低温硬さはもちろん、高温硬さが優れ、高強度で諸物性が安定であることを特徴としています。WC-Co系合金以外に、切削工具として、耐酸化性を向上させた、 WC-TiC-Co系合金、 WC-TaC-Co系合金、 WC-TiC-TaC-Co系合金が用いられています。
一方、結合相をNiとする超硬合金は、Ni中へのWの固溶量が一定以上で磁性を失い、非強磁性となること、耐食性が向上することによりWC-Ni系合金が提案され、さらにCrの添加によりさらに耐食性が向上することによりWC-Ni-Cr系合金が実用化されています。
図1.超硬合金の組織

超硬合金の製造方法(粉末冶金法)

超硬合金は粉末冶金法という特殊な製法で作られます。
粉末冶金法とは、鉄等の様に熔解や、削ったりして所用形状を得るのではなく、金属粉末をプレスした後、焼き固めて所用形状を得る方法です。
超硬合金はその主成分であるタングステンカーバイドWCの融点が2900℃と高温で溶製が困難であるため、粉末冶金法により製造されます。

超硬合金の主な性質

主な特徴は、硬さが大きいこと(HRAで80から94)、強度が大きいこと(抗折力がおおむね2GPa、200kg/mm2)以上、ヤング率が大きいこと(鉄の約3倍)、比重が大きいこと(鉄の約2倍)などです。
当社では、これらの特徴を活かし、更に改良を加えた独自の超硬合金を製造しています。

また、超硬合金のような硬さが大きい材料は切削加工が難しく、一般的に研削加工を用います。
当社では、水溶性クーラントにファインバブルを発生させる装置である「FB-ASSIST」を開発し、社内の研削加工工程で使用しています。

研削加工用ファインバブル発生装置「FB-ASSIST」の詳細は下記の画像をクリックしてください。


超硬合金の用途

超硬合金は耐食性をも必要とされる用途にも用いられるようになり、耐食に関する研究を通じて、様々な材料を開発し供給しています。

超微粒子超硬合金

マトリックスであるWC粒子を超微粒子化することにより、高強度、高硬度化を実現しています。NTダイカッター、金型部品で威力を発揮しています。

ニッタンロイ耐摩、耐衝撃材種

ニッタンロイ耐摩、耐衝撃材種
材種特徴JIS B
4054
ニッタンロイ
材種
密度
(g/cm3)
硬さ
HRA
破壊靭性
(MN/m3/2)
抗折力
(GPa)
圧縮強さ
(GPa)
ポアソン比ヤング率
(GPa)
熱膨張率
(×10-6/K)
熱伝導率
(W/m・K)
用途
耐摩
耐衝撃
材種
中粒VM-30G114.6 91.512.82.35.50.196375.080最高の耐摩耗性を有しメカニカルシールリング、各種ノズル、ガイド、プッシング、検査ゲージ類などに使用されます。
中粒VM-30G214.9 91.013.03.05.00.206305.1115
中粒VM-40G314.7 89.521.03.44.70.215795.3105金属圧延ロール、ワークレストなど、機械耐摩耗製品に使用されます。
中粒VM-40G2014.5 89.023.73.44.40.225595.5100
中粒VM-50G3014.2 88.027.53.54.30.225495.7100一般に金型関係の用途に広く用いられます。
衝撃用途に適する代表的な材種であり、精密打抜型などに使用されます。
中粒VM-50G4014.0 87.527.83.44.20.225395.995
中粒VM-60G5013.8 86.528.33.43.80.235106.285
超微粒VF-30FN2014.3 91.513.73.45.15495.855断裁刃、切断刃、ダイカッター等、シャープエッジに対応できます。
超微粒VF-40FN3013.9 90.516.53.74.75406.0
超微粒VF-40FN4013.7 90.516.03.74.75306.255
超々微粒VF-20SF3013.8 92.011.23.74.85106.045超々微粒子により、更に寿命向上が期待できます。
超々微粒VF-40SF5013.4 90.512.73.53.84606.440
参考:SKH材8.7 83.03.43.70.3021011.020高靭性を有し、薄刃、断裁刃に使用できます。
耐摩
耐食
非磁性
材種
中粒NiバインダNM-60NM1514.0 86.526.83.03.50.215306.450非磁性金型、抜き型などに使用されます。
中粒NiバインダNM-40NR814.8 89.518.62.44.20.206005.785耐食性を必要とする用途一般に使用されます。
微粒NiバインダNF-40NR1113.5 89.018.52.94.60.215306.140
中粒バインダレスVM-10RCCL14.7 93.55.51.43.60.206404.885
微粒バインダレスVF-10RCCFN14.6 95.0*5.31.94.10.206304.960鏡面加工製品、ノズルなどに使用されます。 *HR30N
上記数値は、代表値であり保証値ではございません。
破壊靭性はJIS R 1607(IF法)での測定値です。

超硬合金「SD1」製品の生産終了のお知らせ
超硬合金「G60」製品の生産終了のお知らせ

ニッタンロイの耐食性

ニッタンロイの耐食性
  フッ酸塩酸硫酸硝酸過酸化
水素水
リン酸クエン酸酢酸硝酸
アンモニウム
水酸化
ナトリウム
エタノール
メタノール
純水海水
溶液濃度[%]20510205101010101010510100100100
温度[℃]50505050505050505050505050225050
ニッタンロイ
材種
G2BCCDDBEDBBCBBAAB
G3BCCDECEDBBCBBAAB
NR8BBBBBBEBBBCBBAAA
NR11ACBBBBCBAAAAAAAA
DUX30・40BBBADDCBAAAAAAAB
RCCLAAABBADABAABBAAA
溶液中または気体中にテストピースを1日静置し、腐食減量を求めました。この結果をDIN4851(ドイツ工業規格)に準拠し、以下のランクに分けて表示しました。
ランク = 腐食減量、  A:優秀 = 2.4 g/m2/day以下、 B:良好 = 24 g/m2/day以下、 C:十分 = 72 g/m2/day以下、 D:劣る = 240 g/m2/day以下、  E:なし = 240 g/m2/dayより大

超硬製品の最大製作可能サイズ一覧表

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