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第36号 タングステン/モリブデン系抵抗溶接電極特集号タングステン系/モリブデン系電極材料の利用分野と使い分け

再結晶を抑制し寿命アップ・・・・・セリモリSC-Mo

また、Moに1%の酸化セリウム(CeO2)を分散させたセリモリ(商品名:SC-Mo)があります。Moの高温再結晶温度は約1200℃ですが、CeO2の分
散により約1800℃まで再結晶を抑制するため、電極の変形が小さくなり、電極寿命が延びた実績があります。純MoとSC-Moの熱処理後再結晶組織を写真4に示します。
【銅タングステン合金】・・・高温硬さとコストを兼ね備えた合金
【銀タングステン合金】・・・ニッケル箔の溶接に、銅汚染を嫌う製造ラインに

WとCu、Wと銀(Ag)を複合合金化させた銅タングステン合金(Cu-W)や銀タングステン合金(Ag-W)は、高温強度と電気伝導率を兼ね備えた
電極材料です。
 表1にJIS Z3234表2の抜粋を示しますが、これは国外規格であるISOに準拠しているため、Bグループに記載の25Cu-Wや23Cu-W合金組成は国内ではあまり流通していません。国内で市販されている標準組成は、30Cu-70W(当社商品名:エメ−C30A2 写真5)です。Ag-W合金の標準は35Ag-65W(同:エメ−S35A2 写真6)ですが、当社では10〜70Cu-残WのCu-W、20〜70Ag-残WのAg-Wをラインナップしており、溶接条件に応じた適切な材料を提供することができます。まず銅タンでは30Cu-70W(同:エメ−C30A2)、銀タンであればS35A2を供試いただき、その結果で前後の配合率のものを選定ください。
最近、製造ラインで銅の汚染による短絡事故防止の観点から、銀タングステン電極の要望も多くなってきています。また、Agは鉄(Fe)やニッケル(Ni)などと合金反応しにくいため、SUSの溶接やNi箔の溶接にも効果を発揮しています。

銀タングステンカーバイト合金・・・酸化消耗で短命なときに

Wを炭素(C)と反応させ、炭化タングステン(WC)にすると耐酸化性が向上し、スケールアウト防止に威力を発揮します。ただし、電気抵抗率が19.2×10-8Ω・m、IACS%で8.9と悪くなります。そこで、WCとAgやCuとの複合合金(Ag-WC合金、Cu-WC合金)にして抵抗率、熱伝導を改善して実用化されています。当社の40Ag-60WC(商品名:エメ−HS01 写真7)や50Ag-50WC(エメ−HS1)は高温硬さ、耐酸化性を兼ね備えた電極として好評
を得ています。

ヘビーアロイ・・・はんだめっきに強く切削加工できる94%タングステン合金

Wを主成分にニッケル(Ni)やCuを焼結助剤とした合金にヘビーアロイがあります。Wを94%含んだW-Ni-Cu合金(商品名:エメ−HAC2 写真
8)は、抵抗体、コンデンサなど、はんだめっきされたφ1.0前後のワイヤーを溶接するチャック電極に用いられてきました。純Wより耐酸化性が優れていること、切削加工ができ低コスト化できるメリットがあります。またWがはんだとの反応が少ないことも選定された理由です。
 これら電極を選定するにあたり、コストも重視しなくてはいけません。レアメタルに属するW、Moや貴金属であるAgが少ないほうが材料単価は下がるのはもちろん、電極形状に仕上げる加工方法として、簡便な切削加工が利用できるか、手間のかかる研削加工しかできないか、によってコストに大きく影響します。また、お客様での再研磨、追加工ができるかも選定基準になります。WまたはWC成分が多くなるほど切削加工が困難になり、研削加工に頼らざるを得ません。各材種の切削または研削の可、不可を表2に示しました。
タングステン/モリブデン系電極材料は、需要が多い銅板溶接ではあまり用いられません。その優れた高温強度を生かして銅、ニッケル、アルミなどの非鉄材料を溶接する分野に用いられます。

ニッタン技報 

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