多孔質材料(porous materials)は、材質の特性や孔のサイズ・形
態により、人工骨などの生体分野からフィルター、触媒担体、含油軸受などの工業分野まであらゆる分野にて研究開発、実用化がなされております。
特に電子機器、液晶・半導体、燃料電池関連業界などの工業分野に
おいては、ガラス、Si基板やフィルムなどの薄型化が進んでおり、高精度化、作業性の改善を目的に多孔質材料を用いた真空チャックへの転換が行われてきております。
そのため当社としては、長年培ってきたセラミックスの製造技術
を生かした0.5μmの気孔径を有する多孔質セラミックス(NPP-125D、W)を開発し、2005年よりこの多孔質セラミックスを使用した真空チャックについても製造をしておりました(既報34号)。しかしながら、反りの強いワークの吸着には対応が難しいなど弱点も出ており、改善が望まれておりました。
今回は、上記課題の解決として開発を行った新たな多孔質セラミックス、およびフィルムの連続吸着での使用が期待されるロールタイプの真空チャックについてご紹介いたします。