連続したフィルム、金属箔、紙などの搬送、機能性薄膜の表面コートを行う工程等においてはサクションロールと呼ばれるロールタイプの真空チャックを使用したRoll to Roll方式が採用されるのが一般的です。従来、この工程に使用されるロールタイプの真空チャックは金属製スルーホールタイプや表面にワイヤー、メッシュ等を巻きつけたものが主流です。しかし、フィルムの薄型化やコート面の高品質化が進んでおり、巻き取りにおいてテンションが掛けられなくなる問題やテンションカット時の吸着痕、コートへの吸着痕の転写の問題などが発生しており、特に吸着痕の問題は従来のサクションロールでは解決が困難であり、今後より一層の薄膜化、高精度化が進んでいく中での重大な課題となっています。
当社では、2005年より製造販売を行ってきた平面タイプの多孔質セラミック真空チャックで培った吸着痕をつけずにワークを保持する技術を応用し、多孔質セラミックサクションロールを開発しました。この多孔質セラミックサクションロールは従来の金属メッシュロール等と比較して面粗度が飛躍的に向上し、吸着したフィルムに吸着痕を残さない他、様々な利点を有しております。