現在の情報化社会を支えているのは、大量の情報を正確に記録するストレージ(記憶装置)です。なかでも、高速・大容量の特性を活かし、数あるストレージの核となるのが磁気記録装置(HDD、図1)で、近年パソコンのみならず、デジタルビデオやカーナビゲーションシステム、携帯端末やゲーム機までその用途は急速に広がっています。
HDDの中で情報を読み書きする根幹部品が磁気ヘッドです。この磁気ヘッドは、Al2O3−TiC(AlTiC)からなるセラミックス基板上に、ICと同様に薄膜形成、フォトリソグラフィの技術でその素子が作製されます(図2)。当社は、この磁気ヘッド用セラミック基板を住友特殊金属(株)と共同開発し、以来20年間に渡り品質改善、安定供給に努めてきました。現在当社が製造しているセラミックス基板“AC−7、AC−72”は、磁気ヘッド基板のスタンダードとして世界に広く使用され、その品質は高く評価されています。