この超低浮上は、スライダの浮上面に、流体工学やトライボロジに基づいた複雑かつ精密な加工を施すことで初めて実現されます。よってスライダ(基板)材には、ナノレベルで正確に加工できる性質が求められ、極めて小さな欠陥も許されません。このようなヘッド特性向上の観点のみならず、信頼性や生産効率からの要求もふまえると、基板材に求められる主な特性は、以下のようになります。�
1.精密に加工できること。
2.加工面が極めて平滑なこと。
3.これらの加工(切断、研磨、イオン加工)が効率よく容易に行えること。
4.加工や熱処理よって歪まないこと(残留応力が均一であること)。
5.気孔や異物などの欠陥がなく、組織が均質であること。
6.機械的な強度や剛性、靱性に優れ、耐摩耗性があること。
7.熱的・化学的に安定であること。
8.磁性を持たないこと。
9.熱伝導に優れ、適度な熱膨張係数を有すること。