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超硬合金長尺超硬合金

概要

 超硬合金は融点が高くまた非常に硬い金属であるため、長尺製品化に限界がありました。そこで当社では、拡散接合による超硬合金製長尺素材の製造技術を確立し、市販化しております。超硬合金製長尺製品は、刃物等に使用されており、スチール製と比較して耐久性(耐摩耗性)に優れているという特性から、品質向上に大きく貢献しております。

長尺素材製造技術

(1)拡散接合による長尺化
 従来、長尺の裁断刃の製造は困難とされてきました。しかしながら当社では、短尺の焼結体を拡散接合法により結合させる技術を実用化し、長さ約5,000mmの素材製造を行っております。
 拡散接合とは、接触した超硬合金同士を加熱することにより、各々の合金に含まれるバインダーが互いに相手材に浸透(拡散)し、その接合部分が一体物と同じ様になる接合のことです。この方法による接合部は、Fig.1に示しますように母材と全く同一品質であり、長尺素材の信頼性を飛躍的に向上でき、事前にHIP処理を施すことで強度も更に向上します。
 当社では、この拡散接合技術を応用することにより、30×10mmの断面で最長5mもの長尺製品をはじめ、裁断用刃物用素材等を製作し、広くご使用いただいております。

(2)主な仕様
 製作可能最大サイズは以下の通りです。
 なお、その他の形状につきましても製造可否検討致しますのでお気軽にご相談下さい。

超硬化の特徴(メリット)

(1)シャープな切れ味
 超硬合金は、一般的な刃物用スチール(SKH51)と比較した場合、ヤング率が約2 . 5 倍( 約540GPa)と剛性が高いため、高い刃先先端応力を発生します。つまり、ワークを切断する際、刃先が逃げにくい性質を有しています(Fig.3参照)。そのため、ワーク切断面の品質が格段に向上し、その状態を長時間持続することが可能になります。特にスチール製刃では困難だった繊維質のワークや、薄いワークの切断を可能としただけではなく、その切り口の品質を格段に向上する事に成功しました。
(2)ランニングコストの削減
 超硬製切断刃を使用した場合、剛性が高い性質を有しているため、作用し合う刃どうしを強く押さえつける必要はありません。刃先がわずかに触れる程度で、十分な切断特性を得ることが出来ます。そのため、刃先に与えるダメージを最小限にとどめることができ、刃先摩耗を遅らせることができます。さらに超硬合金特有の耐摩耗性との相乗効果により、スチール製の刃物と比較して約10−50倍の工具寿命を達成しています。このように長寿命になりますと、製造ラインの手離れ化、自動化が可能となり、結果的にランニングコストを大きく削減することが出来ます。

(3)様々な用途に対応
 超硬合金は、高い硬度(HRA90以上)を有するため、従来切断が困難であった金属箔や繊維質のワークにも使用することが出来ます。また、ワークに適した刃先形状を付与する事により、耐欠損性を向上し、より信頼性の高い刃物として使用できるようになります。

関連技術

(1)材料技術
 当社が創立以来続けて来た粉末冶金技術の応用により、用途に応じた超硬合金を製作することが可能です。超硬合金は、それを構成するWC粒子の粒径、バインダー金属の種類と量、第3元素の添加等により、耐摩耗性・耐欠損性・強度・耐食性・耐熱性・刃立ち性等のパラメータを変える事が可能です。
 使用ワークや環境、機械、条件により、最適な超硬材料をご提供します。(Table.1)
Table.1 当社代表材種物性値
材種名硬度
(HRA)
抗析力
(GPa)
破壊脆性
(K1C)
SF5090.53.810.0
FND3090.03.19.1
G4088.03.215.0
NM15
(非磁性)
86.52.514.0
SKH19
(参考)
641.820.0
(2)加工技術
 当社では、1951年から超硬合金製造を行っており、その歴史と同じく超硬合金製工具を製作してきました。半世紀を越える超硬加工技術の蓄積の結果、様々な加工に対応でき、微細で、高精度な加工を要求する刃物から、大物製品まであらゆる種類の素材を加工ご提供いたします。

(3)設計技術
 超硬合金特有の性質を生かした設計をする事により、超硬製素材はその性能を100%発揮することができます。スチールと超硬合金の違いを十分に把握し、その長所・短所を認識することにより、従来品(例:スチール製)から超硬製品への転換もスムーズに行うことができます。超硬化をご検討のお客様は、是非当社へご相談下さい。
 私どもは、今後もお客様のニーズに応え、さらなる改良を加えながら、高い性能と信頼を超硬素材の面からご提供いたします。
                                              超硬部品部 製造技術Gr. (中川)

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