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タングステンの粉体粉末冶金用語事典

    タングステンの垂下(サグ)特性、ノンサグタングステン

タングステンのサグ特性 sag characteristics of tungsten

 白熱球フィラメントのように高温に長時間さらされると、タングステン線は重力によるクリープ変形を起こす。このような高温での変形をサグ(垂下)と称する。変形は再結晶粒界の滑りと空孔の拡散に起因する。添加剤を含まない純タングステンの再結晶粒は比較的丸く、線軸に垂直な粒界を多くもち、容易に変形してサグを起こす。サグ特性改善のため微量のカリウムを添加したドーブタングステンが用いられる。タングステン中のカリウムは加工されて長く伸び、さらに分断されて線軸方向に整列し、高温で0.1μmまたはそれ以下の微細なバブルの列を形成する。バブルは粒の線径方向への成長を抑制し、長大で入り組んだ粒界をもつ再結晶粒を形成して高温で線のサグを防止する。通常、タングステン線のカリウム量は50〜80ppmで、カリウムが多くなるほど線の耐サグ性は良くなる。また線の加工度の大きくなるほどバブルの微細化と整列が進み、耐サグ性が向上する。サグ特性は再結晶時の加熱条件にも影響され、加熱速度の遅いほど耐サグ性は良くなる。

ノンサグタングステン non-sag tungsten

 白電球、特にハロゲン球のような高輝度ランプのフィラメントは点灯中3,000K以上の高温にさらされる。ドープ剤を添加しない純タングステン線は高温で等軸再結晶粒を形成し、粒界で滑り、このため自重で垂下(サグ)して局部的加熱を起こし断線する。サグを防ぐため微量のカリウムを添加したタングステンをノンサグタングステンという。ドープタングステンの一種。カリウムは微細なバブルの列を形成し、線軸方向に伸びた長大再結晶粒をつくる。ノンサグタングステンの再結晶粒はインターロックした粒界すべりによる線の垂下を防止する。


                                                  粉体粉末冶金用語辞典 より
                                                  編者:(社)粉体粉末冶金協会
                                                  発行所:  日刊工業新聞

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