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タングステンの粉体粉末冶金用語事典

    タングステン強度

タングステンの強度 strength of tungsten

 タングステンは強度のきわめて大きい材料として知られているが、延性-脆性遷移温度(DBTT)が高く、室温で低温脆性が見られる。また高温で再結晶して著しく脆化する。脆化は主として粒界の弱さに起因する。塑性加工により繊維組織が発達すると、DBTTは室温以下となり、また強度も高くなる。微量のカリウムや酸化トリウムの添加は再結晶温度を高め、再結晶脆化を改善する。図はタングステン線の硬さと熱処理温度の関係を示す。線引き上がりの線材は繊維組織をもち、硬度が高い。1,300K付近から再結晶が始まり硬度が低下する。
       

          図 タングステンの強度                                                   

高強度タングステン合金  high strength tungsten alloy

 代表的な高強度合金として、低温脆性と再結晶脆性を改善したW-Re合金や、再結晶脆性を改善したW-ThO2合金がある。3〜20数%レニウムを含むW-Re合金は延性-脆性遷移温度が低く、室温で靭性がある。W-Re合金は一次再結晶域で著しく伸びを示し、常温引張りで10〜20%以上の伸びが見られる。またW-Re合金の二次再結晶温度は2,500K以上と高い。高温引張強度は2,000Kで約300MPa、2,500Kで100MPaである。W-Re合金は高温高強度材料に用いられるほか、X線管球のターゲットや高温用の熱伝対に用いられる。タングステンに1〜2%の酸化トリウムを添加したトリエイテドタングステン(W-ThO2)は、微細に分散したThO2が再結晶を抑制し、二次再結晶温度が2,200〜2,500Kと高い。2,000Kにおける引張強度は約500MPaである。同様な合金にジルコニアやイットリア分散合金がある。W-ThO2合金は高温高強度材料として使われるほか、今日ではむしろ電子放出材料として用いられることが多い。                                

タングステンの高温強度 high temperature strength of tungsten

 塑性加工されたタングステンは繊維組織をもち機械的強度も大きいが,高温で再結晶して脆化する。純タングステンは約1,300Kで一次再結晶し、1,800Kを超えると二次再結晶による粒の粗大化が始まる。高温強度改善のためにタングステンに微量のカリウムを添加する。カリウムは高温で微細なバブルを形成し、分散強化により高温強度を改善する。また再結晶温度を高め、粒形状を制御して粒界辷り(すべり)を防ぎ、高温強度を高くする。一例を示せば、純タングステンのφ0.39mm線引き上がりの高温引張強度が1,500Kで約200MPa、2,000Kで約130MPaであるのに対し、ドーブタングステンは1,500Kで約500MPa、2,000Kで約300MPaと2倍以上高くなる。
                                                          

タングステンの衝撃強さ impact strength of tungsten

 タングステンは再結晶により衝撃強さが低下する。衝撃強さは結晶粒の形状に大きく依存し、粒の細く長いものほど強い。電球のフィラメントは点灯時再結晶するため、再結晶後の衝撃強さが要求される。フィラメントの衝撃試験には、振り子の先に付けた電球を振り下ろしてプレートに当て、フィラメントが断線した最小振り上げ角度を測定する方法や、電球を一定の高さから落下して、断線した最小高さで衝撃強さを評価する方法などがある。線引き上がりの線材は落下テストで断線することはほとんどないが、点灯後は結晶粒が粗大化しているため衝撃強さが低い。表面欠陥は衝撃強さを著しく低下させる。レニウムの添加は耐衝撃性改善に効果がある。                                                        

タングステンの引張強さ tensile strength of tungsten

 タングステンの引張強さは組織や表面状態で大きく変化する。繊維組織をもつ線材の引張強さは高いが、熱処理をすると一次再結晶の強さが低下する。1,800K以上になると粒が粗大化し、引張強さはさらに再結晶後の室温の引張強さは線引き上がりの半分以下となる。電解研磨によりタングステンの表面を平滑にすると引張強さは高くなる。微量のカリウムの添加によりタングステンの引張強さが向上する。これはカリウムの分散強化効果と再結晶抑制効果による。φ0.39mmドーブタングステン線の室温における引張強さは線引き上がりで1,800〜2,200MPa、再結晶後で800〜1,000MPaである。                             

タングステンの曲げ強度 bending strength of tungsten

 曲げ強度は組織や表面状態に大きく影響される。線引き上がりの線材は繊維組織をもち、比較的曲げ強度が高い。加工度の大きくなるほど柔軟性が向上する。線引き上がりのφ1.0mmタングステン線は室温における曲率R 5mmの90°曲げでクラックを生じる。線径がφ0.5mm程度になると折り曲げが数回できるようになる。一般にタングステン線は繰り返し曲げに弱い。表面欠陥は強度を低下させる。電解研磨で表面を滑らかにすると曲げ強度は向上する。他の機械的特性と同様、曲げ強度も再結晶により低下する。特に1,800K以上の熱処理で二次再結晶による粒の粗大化が始まると曲げ強度は著しく低下する。               

                                                  粉体粉末冶金用語辞典 より
                                                  編者:(社)粉体粉末冶金協会
                                                  発行所:日刊工業新聞

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