タングステンの延性-脆性遷移温度(DBTT)は表面状態、結晶粒径。あるいは不純物により200〜700Kの間で大きく変化する。電解研磨で表面を平滑にするとDBTTは低温側に移動する。また表面を薄く酸化してもDBTTは低くなる。結晶粒径の小さいほどDBTTは低くなり、平均粒径が0.001mm付近になるとDBTTは室温以下となる。材料を1,300Kあるいはそれ以上の高温にさらすと、結晶粒成長によりDBTTは高温側に移行する。特に1,800K以上の高温では粒の粗大化が起こりDBTTは600〜700Kまで上昇する。不純物として酸素や炭素が固溶するとDBTTは上昇する。800K以上でC,Fe,Ni,Crなどと合金を形成し、DBTTは著しく上昇する。