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タングステンの粉体粉末冶金用語事典

タングステン tungsten,wolfram

 原子番号74,原子量183.85、外観が灰白色の高融点金属で、結晶構造は体心立方。主要な鉱石は鉄マンガン重石((Fe,Mn)WO4)と灰重石(CaWo4)で中国に多く産する。存在量は比較的少なくレアメタルに属する。湿式で精錬し,酸化物を水素で還元して金属粉末とする。代表的な高融点金属で,成形には粉末冶金法が用いられる。融点は約3,683Kと金属中最も高く、密度は19.3Mg/m3と大きい。金属は剛性に優れ、また高温の機械的強度も大きいが、再結晶により脆くなる。常温では比較的安定であるが、耐酸化性は劣る。各種ランプならびに電子管のフィラメント、あるいはヒータとして、また帯電ならびに放電電極材料として用いられる。銅や銀と焼結して電気接触子に、また銅やニッケルと焼結したヘビーアロイは重錘に使われる。特殊鋼の添加剤に用いられる。炭素との化合物WCは超硬合金に用いられている。酸化タングステンは触媒に使われる。市販のタングステンの純度は、通常,99.95%以上で主な不純物はモリプデン・鉄・アルカリ金属などである。

タングステンの資源 resources of tungsten

 タングステン鉱石の多くはタングステン酸塩の形で産出する。主要な鉱石は鉄マンガン重石(ウォールフラマイト(Fe、Mn)WO4)と灰重石(シーライト、CaWO4)である。世界のタングステン鉱石の埋蔵量はW純分でおよそ250〜300万トンと見られる。鉱石はアジア太平洋岸・オーストラリア・ヨーロッパ・アフリカ・南北アメリカと比較的広く分布するが、そのおよそ半分は中国にあり、次いでカナダ・アメリカ・旧ソ連・オーストラリアに多い。鉱石の生産量も中国が最も多く、需要の大半が中国からの供給に頼っている。中国以外ではポルトガル・ミャンマーなどで生産されている。鉱石は日本にも産出するが現在は採掘されていない。日本も原料のほとんどを中国から輸入している。鉱石消費量は全世界で年間約40,000トン(W純分換算)と見られる。タングステンはレアメタルに属し、また産出国と生産国が偏っているため、ニッケル・コバルトなどとともに備蓄元素に指定され、現在、民間ならびに国家備蓄が行われている。

タングステンのリサイクル recycling of tungsten

 わが国ではW純分として年間4,000〜4,500トンのタングステンが消費される。そのうち、およそ20%がスクラップからの回収品と見られるが、海外からAPT(パラタングステン酸アンモニウム)ならびW粉の輸入もあり、リサイクル率の正確な値はわからない。世界のタングステンのリサイクル率もほぼ同程度とみられる。タングステンの用途は超硬合金が最も多く、スクラップの回収ならびにリサイクルも超硬合金を中心に行われる。リサイクルには再生WC粉として回収する方法と、APTまで再精製する方法がある。超硬スクラップの処理方法として、高速粉砕機で直接粉砕する方法、2,300K以上の高温で脆化したのち粉砕する方法、超硬合金を溶融亜鉛浴に浸け、コバルトを合金化して分解する方法、化学処理でコバルトを溶解する方法などがある。日本では高温法や亜鉛浴法が行われる。タングステン線のスクラップは900〜1,100Kで酸化したのち精製する。Cu-WやAg-Wのような合金は酸処理して銅や銀を抽出したのちタングステンを回収する。

タングステンの用途 application and use of tungsten

 高温材料として、照明球や電子管のフィラメントあるいはヒータに、またアルミ蒸着用のヒータにドープタングステン線が用いられる。酸化トリウムや希土類酸化物を添加したタングステンは放電材料として放電灯電極やアークプラズマ電極、あるいはTIG溶接電極に使われている。また放電加工電極やマグネトロン電極にも使用される。剛性材料としての用途にはドットプリンタピンやプローブピン、あるいは駆動用のミニロープなどがある。高い張力を利用して複写機や空気清浄機の帯電線に金めっきタングステン線や、表面を緻密な酸化皮膜で被った酸化線が用いられる。その他、電気接点や超LSIの配線材料、メタライジングにも用いられる。WCは超硬合金に用いられる。特殊鋼にはタングステンがCr、Vなどとともに添加される。銅あるいは銀との合金は電気接触子に、銅やニッケルあるいは鉄との合金は重錘として、W-Re合金は高温高強度材料に用いられる。タングステン酸化物は触媒として、カルシウム その他の塩は蛍光材料ならびに]線増感材として使用される。


                                                  粉体粉末冶金用語辞典 より
                                                  編者:(社)粉体粉末冶金協会
                                                  発行所:  日刊工業新聞

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