放射線関連技術が進歩しその利用が拡大する中で、放射線遮へいには、その遮へい能力が優れる割に安価である鉛、もしくは鉛含有材料の遮へい材が使用されてきました。しかしながら、鉛は人体に有害な物質であり地球環境に対して影響を及ぼすものとして世界的にも規制の動きがあり、その代替材料が求められています。
一方、環境への影響がきわめて小さなタングステンを主成分とするタングステン合金は、同体積における放射線遮へい能力が鉛と比較して非常に高く放射線遮へい材として利用されています。しかしながら、高温で焼結するため柔軟性・加工性が悪い、値段も高価であるといった課題があり、その用途は限定されてきました。
上記の課題を克服するために、当社では長年培われてきた粉末冶金技術と複合化技術を融合することによって、タングステンと有機材料からなる全く新しい高密度の複合材料を開発し、柔軟性・リサイクル性を有する環境に優しい「タングステンシート」として商品化しました。